本物のローバーの操縦に大興奮。宇宙大好きキッズが集まった『コズミックカレッジ』に潜入

2016.07.27

科学の楽しさや宇宙の不思議を親子で体験することを目的に、2016年6月26日〜9月4日まで、JAXA×ディスカバリーチャンネル『コズミックカレッジ』が全国各地で開催されています。世界最大のドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共催するイベントで、今年はKDDIとHAKUTOも参加しています。今記事では、7月3日に東京都市大学(二子玉川夢キャンパス)で開催されたイベントの様子をレポートします。

ペットボトルなどの身近なもので、ロケットのしくみを学ぶ

2016年7月3日、「東京都市大学 二子玉川 夢キャンパス」で『コズミックカレッジ』が開催されました。科学と宇宙が大好きな小学生たちが、午前・午後の部を合わせて、総勢300人集まりました(保護者含む)。『コズミックカレッジ』は、親子で6つのミッションをクリアするなど、楽しみながら科学や宇宙に関する知識を深めていけるプログラムとして人気を集めています。

ステージ1のミッションは「宇宙空間を学べ!」です。打ち上げロケットの発射と宇宙空間の特徴について学びました。実際のロケットのしくみと同じように、酸素と水素を化合させて、ペットボトルロケットを発射させるシーンでは、会場の雰囲気も一気にヒートアップ。

当日配られた実験キットの中身

その後も、液体窒素をマイナス270℃の宇宙空間に見立て、花や空気、体内の血液はどのように変化するのか? などの興味深い実験が次々と行なわれました。目の前で繰り広げられる意外な結果に、子どもたちからは「おー!」「すげー!」といった大きな歓声が上がっていました。

宇宙の過酷な環境を、液体窒素で実演

大きな天体の重力エネルギーを利用する「スイングバイ」航法とは?

ステージ2「宇宙航法を学べ!」では、「スイングバイ航法」について学びました。これは大きな天体の公転運動を利用して、小さな人工衛星や宇宙船を加減速する方法のこと。今回のミッションでは、大小のスーパーボールを使ってそれを疑似体験しました。大きなスーパーボールの上に小さなスーパーボールを重ねて床に落とすと、天井の蛍光灯を壊すくらいの激しい勢いで、小さなスーパーボールが跳ね返ってきます。これは大きなスーパーボールの反発力が小さなスーパーボールに伝わることによるもの。子どもたちは、安全のために装着したゴーグル越しに、スーパーボールが異常な速度で跳ね返るのを目のあたりにすることで、「スイングバイ航法」がどのようなものか、理解できた様子でした。

スーパーボールを使った、速度エネルギーの実験。子どもたちは安全のためにめがねを装着

そのほかにも、ステージ3「望遠鏡を学べ!」では、国立天文台が所有する「すばる光学望遠鏡はどこにある?」の質問に、たくさんの子どもが「ハワイ!」と即答する印象的なシーンが。ステージ4「電磁誘導を学べ!」では、宇宙空間で電気を作り出す実験として、電池もコンセントも使わない、コイルを使った電磁誘導による発電のしくみを学びました。

配布されたシートにクイズの答えを
書き込んでいる様子
コイルを回し、電磁誘導を学ぶ実験の様子

「もっと右だよ!」「まっすぐ進んで!」ローバーで子どもたちの気持ちが一つに

ステージ5「ローバー投入、通信を確保せよ!」では、いよいよHAKUTOの月面探査用ローバーが登場しました。スペシャリストとして、「au × HAKUTO MOON CHALLENGE」のプロモーションを行うauの浅原弘輝さんとHAKUTOでローバーの開発に携わる秋元衆平さんが登壇します。

浅原さんからの「地球から38万km離れた月のローバーをラジコンカーのように動かします。だからローバーとの通信を絶対に途切れさせることはできません。それがauの役割なんです」との説明に「へぇー」と感心する子どもたち。しかし、ラジコンカーと違って、月にあるローバーは実物を見ながら操作することができません。そこで、頼りになるのは、ローバーにつけられたカメラの映像です。

では、実際に疑似体験してみましょう、ということで、会場から選ばれた石川善太郎くん(小学5年生)が、タブレットのコントローラーを使って、ローバーの操縦にチャレンジ。月面でのミッションを想定して、ローバーを見ながら操縦しないよう、ローバー本体に背中を向け、タブレットの画面に映るカメラ映像だけを頼りに操縦しました。

しかし、ローバーのカメラ映像だけでは、岩にぶつかったり、意図しない方向に進み始めてしまったりと、一苦労の様子です。さらに、地球と月は約38万kmも離れているので、タブレットの操作とローバーの動作には、通信によるタイムラグが生じます。この疑似体験では、そのタイムラグまでシミュレーションしているため、善太郎くんはローバーの操作に四苦八苦。そこで、観客の子どもたちが「右! まっすぐ、左!」などの声がけで背中を押します。無事にローバーがゴールに辿りついた瞬間は自然に拍手がわき起こっていました。

HAKUTO秋元さんの指導のもと、後ろ向きでローバーを見ずに操縦

体験後、ローバーを操縦した善太郎くんに話を聞くと「思うように進まなくて難しかったけど楽しかった。ぼくも将来、ローバーみたいなものを作ってロケットで宇宙に飛ばしたいです」と満面の笑顔でした。ちなみに、HAKUTOの秋元さんは善太郎くんの操作を見て「タブレット操作に慣れているのはさすがですね。少し練習したら、すぐに上手くなると思いますよ」と驚いていました。

ローバーの行方を見守る子どもたち
ローバーを全員の前で操縦した、小学5年生の善太郎くん

『コズミックカレッジ』に参加している子どもが、将来の宇宙開発の担い手になっているかも

最後のステージ6「チームスピリット!」では、会場のスタッフ、講師、参加した親子全員が一つのチームとなって、手をつないで大きな輪になりました。コイルで発生させた電気を輪に流して、誰も手を離さなければ電気が通じてミッション完了というルールでしたが、無事に全員で電気の刺激を体験してステージクリア。みんなで一つのチームになれたようです。

最後のミッションでは、全員で手をつないで電気刺激を体験

イベント終了後には、「au × HAKUTO MOON CHALLENGE」のブースに子どもたちが殺到。ローバーの操縦体験をしようと長い行列ができていました。

「ラジコンみたいで面白い」という感想が聞かれるなか、スタッフに「地球と月は重力が違うのにきちんと動くの?」「どうしてボディがシルバーなの? 赤とか目立つ色のほうがよく見えていいのに」といった鋭い質問をぶつける子どもたちも。

HAKUTOのスタッフに、どんな質問が多かったかを尋ねてみると「地球から38万kmも離れた月のローバーを操縦することに驚いて、通信が届くのか? と質問をしてくる子どもが多かったですね」とのこと。
HAKUTOの秋元さんは「子どもたちがすごく真剣に話を聞いて、頷いていたのが印象的でした」とイベントを振り返ります。そして「10年後、宇宙へのハードルはもっと下がっているはず。今日、コズミックカレッジに参加した子どもたちが、ぼくらと一緒に宇宙の仕事に携わっているかもしれないと思うとワクワクしますね」と語ってくれました。
今回のコズミックカレッジは、未来を切り拓く子どもたちがたくさん参加しました。今年の夏は、8月27日、28日に大阪大学、9月3日、4日に早稲田大学での開催が決まっています。興味がある方は、ぜひウェブサイトから申し込んでみてはいかがでしょうか。また、応募受付を終了している会場もございますので、ウェブサイトにてご確認のうえ、お早めにお申し込みを。

参加申込等、詳しくはこちらから。

HAKUTOスタッフの指導のもと、ローバーを操縦する子供たち

PROFILE

笹林 司 / TSUKASA SASABAYASHI

株式会社リクルートで車媒体の編集に携わり2003年に独立。その後、ビジネス分野を中心に、有名無名を問わず、様々なジャンルで活躍する人たちのインタビュー取材に従事。現在は、雑誌媒体を始めとして、ネット媒体、社内報、機内誌など様々なメディアで執筆を行う。

撮影
西田 香織

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