auは通信技術でHAKUTOをバックアップする

auはなぜHAKUTOを応援するのか

「あらゆる境界を越え、まったく新しいアイデアを生み出し、それを世の中に提供する」それがauのブランドスローガンである「あたらしい自由。」に込められた思いだ。困難を厭わず、チャレンジし続けることが、auの存在意義だと考える。2016年。auは新しいチャレンジのステージに宇宙を選んだ。パートナーはHAKUTO 。

 

 

HAKUTOが掲げる人類の宇宙進出のビジョンに共感したauはGoogle Lunar XPRIZEに挑戦するHAKUTOを応援することを決めた。賞金のかかった国際的なレースであるGoogle Lunar XPRIZEに出場し、優勝を目指すだけでなく、レースのもっと先にある、人類の夢を実現したい。

 

 

かつて日本で初めて衛星による日米間テレビ中継を実現し、世界の境界を越えたKDDI。宇宙との関係は深い。1963年には世界初の衛星通信用カセグレンアンテナの開発に成功。静止衛星最適配置プログラムを開発し、世界中で高い評価を獲得。世界の衛星通信分野をリードしてきた。
初めての衛星中継から50年以上の時を経たいま、宇宙への新しいミッションがはじまる。競技のルール上、通信分野が勝敗のカギを握る。成功するとは限らない。厳しい挑戦であることは間違いない。でも、だから私たちは参戦することを決めた。auの新しいチャレンジが、今はじまる。

auがHAKUTOへ提供する通信技術とは

 

auがHAKUTOへ提供する通信技術は次の2つである。

  • 月面での通信を途切れさせないこと
  • 低スループットの環境下で高解像度の動画・画像データを効率的に送信すること

レースでは、月面という特殊環境の下、限られた電力で、ローバーとの通信を途切れさせず、Mooncastと呼ばれる”高解像度”の”映像”を含んだデータや、リアルタイムに近い映像データを送信することが求められる。レースでは、その精度と対応力が試される。
月面の環境は想像以上に過酷である。昼は100℃を超え、夜は-150℃以下にまで下がる。岩石やクレーターなど電波の障害物も多い。通信環境が良いとは言い難い。

 

 

 

そのためにKDDI研究所では様々な試験が行われている。試験には電波の反射がほとんどない電波無響室を用意。地上の移動体通信技術を月面で応用するために、あらゆる角度からの検証が続いている。

 

 

電波無響室での通信実験の様子

ローバーの通信には、より遠くまで通信可能な900MHz帯と、高速通信が可能で日本国内での実験にも最適な2.4GHz帯のハイブリッド通信システムを採用。月面における安定した通信を目指している。
さらに通信の大きな障害になりそうなのが、月面を覆う1ミリ以下の非常に細かいパウダーの砂「レゴリス」の存在だ。重力が1/6の月面ではローバーが走るだけでこのレゴリスがまき上がる。月には水分がないので、地球では考えられない電波の回析や反射が起こる可能性があり、その対応に試行錯誤を繰り返している。

 

 

 

 

また、今後レースのカギとなりそうなのが、高画質映像を圧縮する技術である。月と地球の距離は地球約10周分もあり、地上での通信と比べて、物理的に不可避な大きなタイムラグがある。月面と地球の通信は、電波環境によってスループットが急激に変化する可能性がある。また、ランダーから離れれば離れるほど電波は減衰する。このような環境の中で、高解像度の映像(動画、画像)を送信するためには、データの欠落を修正し再現性を確保する技術(データ復元技術)に加え、短時間で効率的にデータを送信するデータ圧縮技術が必要となる。安定な送受信を可能にするために最適なパラメータ設定などのチューニングを進めている。
レースの期限まで残された時間は長いようで短い。月面の特徴に対応した通信技術のさらなる進化に期待が高まっている。


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